彦一ばなし その一 四コマ(イヤイヤ期)
「彦一ばなし」 その一
年の暮れになって、
彦一の女房が言いました。
「今日あたり借金取りがやって来る頃だけど
どうしたもんかねぇ。」
彦一はしばらく思案顔をしたあと、
女房に
「魚屋に行って笊にいっぱい魚のはらわたを
買って来い」と言いました。
それで女房は言われた通り
魚屋で笊いっぱいの魚のはらわたを
買ってきました。
*
その日、やっぱり彦一の家に借金取りが
やって来ました。
ところが彦一の女房が家の前で
顔をおおって泣いているのです。
女房にわけを聞くと
借金取りを家の中に入れました。
すると家の中で
彦一が手に包丁を握り、
腹からはらわたを出して
倒れているではありませんか。
「亭主は借金が返せないのを気に病んで
とうとうこんなことを・・」
女房は涙ながらに借金取りに話しました。
***
「ちょっと頼みがあるんだけど・・」「ヤダね!」っていう
具合ですよ~。
コイケさんのイヤイヤ期はたぶん一生続きます。
二段目誤字があります。
「捨っておいて」は「捨てておいて」の間違いです。
すみません。