レモンタルトの夢

イラスト、写真、お話しなどを載せています。時々根尾くん♪

とりのみじいさん その一

とりのみじいさん その一


昔、あるところに正直で働きものの
おじいさんとおばあさんが暮らしていました。


ある日おじいさんは
おばあさんが作った小豆ごはんの握り飯を持って
山に芝刈りにでかけました。


昼時になり
おじいさんが握り飯を食べ終えて休んでいると
林の中からきれいな鳥の鳴き声が聞こえてしました。


「あやちゅうちゅ こやちゅうちゅ
にしきさらさら ごようのまつ
こがねざらざら びびらびんちょん」


おじいさんは鳥の姿を見たくなりました。


「ほれ、鳥や、榛の木にとまれや」


おじいさんがそう言うと
かわいい鳥が飛んできて榛の木にとまり


「あやちゅうちゅ こやちゅうちゅ
にしきさらさら ごようのまつ
こがねざらざら びびらびんちょん」


と鳴きました。


おじいさんは鳥に何かやりたくなり
口の中を舌で掻きまわして
小豆の皮をひとつ舌の先にのせました。


「ほれ、鳥や、わしの舌にとまれや」


おじいさんがそう言うと
鳥はおじいさんの舌にとまり
小豆の皮をつつきました。


その時おじいさんはうっかり息を吸ってしまい
ついでに鳥を飲みこんでしまったのです。


つづく


***


♪わたし待つわ、いつまでも待つわ